岐阜県揖斐川町の山深くに佇む古刹、「横蔵寺(よこくらじ)」をご存じでしょうか?
「美濃の正倉院」とも称されるこのお寺には、数多くの貴重な文化財や、日本でも数少ない「即身仏(ミイラ仏)」が安置されていることで知られています。
しかし、これから訪れようと考えている方の中には、以下のような疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。
「横蔵寺にはどんな見どころがあるの?」
「ミイラ仏はいつでも拝観できる?」
「紅葉が綺麗と聞いたけれど、いつ頃行くのがベスト?」
「山奥にあるようだけど、アクセス方法は?」
結論からお伝えすると、横蔵寺は歴史的価値の高い仏像群や神秘的な即身仏、そして四季折々の美しい自然が楽しめる、訪れる価値の非常に高いスポットです。 特に秋の紅葉シーズンは、ライトアップも行われ幻想的な景色が広がります。
そこでこの記事では、横蔵寺への訪問を検討している方に向けて、以下の内容を詳しく解説します。
- 横蔵寺の歴史と「美濃の正倉院」と呼ばれる理由
- 絶対に見逃せない見どころと即身仏(妙心法師)について
- 紅葉などの四季の魅力
- 車や公共交通機関を使ったアクセス方法
この記事を読めば、横蔵寺の魅力を余すことなく理解でき、スムーズに観光プランを立てることができます。ぜひ最後までご覧いただき、歴史と自然が織りなす神秘的な空間へ足を運んでみてください。
横蔵寺(両界山横蔵寺)とはどんなお寺?
岐阜県揖斐川町の山間に位置する両界山横蔵寺は、長い歴史と豊かな自然に囲まれた天台宗の寺院です。まずは、その歴史的背景と「美濃の正倉院」と呼ばれる所以について解説します。
約1200年の歴史を持つ天台宗の古刹
横蔵寺の歴史は非常に古く、その創建は約1200年前にまで遡ります。伝承によれば、延暦20年(801年)頃、日本に天台宗を広めた伝教大師最澄がこの地を訪れ、自ら薬師如来像を刻んで開基したと伝えられています。最澄の伝説が残る由緒正しいお寺として、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。深い山々に抱かれた境内は静寂に包まれており、一歩足を踏み入れれば、長い年月を経て守られてきた厳かな空気を感じることができるでしょう。
「美濃の正倉院」と呼ばれる理由と重要文化財
横蔵寺が「美濃の正倉院」と称される理由は、数多くの貴重な文化財を所蔵している点にあります。かつて織田信長の兵火などにより多くの寺院が焼失した時代においても、横蔵寺は戦火を免れることができました。そのため、平安時代や鎌倉時代の優れた仏像や絵画、書跡などが当時のまま数多く残されています。現在、国の重要文化財を含む多数の寺宝が境内の瑠璃殿(宝物殿)に安置されており、地方の寺院としては異例の収蔵数を誇っています。仏教美術に関心がある方にとっては、まさに見逃せないスポットといえます。
横蔵寺の最大の見どころ!即身仏と仏像群
横蔵寺を訪れる多くの人々のお目当てとなっているのが、神秘的な即身仏と、重要文化財が並ぶ仏像群です。ここでは、それぞれ詳しくご紹介します。
【舎利殿】神秘の即身仏「妙心法師」
境内の「舎利殿」には、日本でも数少ない即身仏である「妙心法師」の御尊体が安置されています。ガラス越しに拝観することができるその姿は、訪れる人々に静かな感動と畏敬の念を与えています。
妙心法師がミイラ仏になった伝説と経緯
妙心法師は、現在の岐阜県揖斐川町横蔵出身の人物と言われています。諸国を巡る厳しい修行の末、山梨県の御正体山にて断食行を行い、文化14年(1817年)に入定(即身成仏)されました。その後、遺体はミイラ化し、明治時代になってから故郷であるこの横蔵寺に移されたと伝えられています。妙心法師の即身仏は人工的な加工がほとんど施されていない自然な状態であることが特徴で、そのお姿からは修行の厳しさと、人々を救いたいという強い願いが伝わってくるようです。
拝観時の注意点
舎利殿で妙心法師を拝観する際は、静粛に振る舞うことが大切です。信仰の対象であり、かつて生きていた方のお姿であるため、敬意を持って手を合わせましょう。また、堂内での写真撮影は禁止されている場合が多いため、現地の案内表示や係の方の指示に必ず従ってください。
【瑠璃殿】圧巻の仏像たち
もう一つの大きな見どころが、重要文化財収蔵庫である「瑠璃殿」です。ここには、横蔵寺が誇る貴重な仏像が一堂に会しています。
深沙大将立像や大日如来坐像などの重要文化財
瑠璃殿の中に入ると、平安時代から鎌倉時代にかけて作られた22体もの国の重要文化財が並ぶ姿に圧倒されます。中でも注目すべきは「木造深沙大将(じんじゃたいしょう)立像」です。憤怒の形相をしたこの像は、力強く躍動感にあふれており、仏像ファン必見の傑作です。その他にも、優美な姿の「大日如来坐像」や四天王像、十二神将像など、それぞれの時代の職人技が光る仏像を間近で鑑賞することができます。
境内散策で歴史を感じるスポット
仏像拝観の後は、風情ある境内をゆっくりと散策してみましょう。四季の自然と調和した歴史的建造物が、訪れる人の心を癒やしてくれます。
趣ある本堂と歴史ある建造物
横蔵寺の本堂は、江戸時代に再建されたもので、檜皮葺の屋根が美しい重厚な建物です。大きな木造建築特有の迫力と、長い年月を経て苔むした屋根の風合いが、周囲の山々の緑に見事に溶け込んでいます。本堂の他にも、三重塔や仁王門など、境内には見ごたえのある建造物が点在しており、古刹ならではの歴史情緒を存分に味わうことができます。
苔むした石段と医王橋
参道を進むと現れるのが、飛鳥川にかかる朱色の橋「医王橋」です。この鮮やかな朱色と、周囲の木々の緑、そして清流のせせらぎが織りなす風景は、横蔵寺を象徴する景観の一つです。また、境内へと続く石段や石垣は美しく苔むしており、雨上がりなどには特にしっとりとした幽玄な雰囲気を醸し出します。写真撮影スポットとしても人気があり、日本の原風景を感じさせる場所です。
横蔵寺は紅葉の名所!四季折々の風景
横蔵寺は、岐阜県内でも有数の紅葉スポットとして知られています。しかし、魅力は秋だけではありません。四季を通じて楽しめる自然の美しさについてご紹介します。
秋の紅葉と「横蔵寺もみじまつり」
11月中旬から下旬にかけて、境内は鮮やかな赤や黄色に染まります。特に医王橋周辺や本堂へ続く石段付近の紅葉は圧巻で、多くの観光客やカメラマンで賑わいます。この時期に合わせて「横蔵寺もみじまつり」が開催され、地元の特産品の販売などが行われることもあります。
幻想的なライトアップ
紅葉シーズンの夜間には、期間限定でライトアップが行われます。闇夜に浮かび上がる紅葉と、朱色の医王橋、そして本堂のコントラストは非常に幻想的です。昼間とは全く異なる幽玄な世界を楽しむことができるため、時間を合わせて夕方から夜にかけて訪れるのもおすすめです。
新緑や桜などその他の季節の魅力
秋だけでなく、春の桜や初夏の新緑も見事です。春にはソメイヨシノやヤマザクラが咲き誇り、静かなお寺に彩りを添えます。また、夏には青もみじが美しく、境内を流れる川の音とともに涼やかな空気を楽しむことができます。冬の雪景色も水墨画のような美しさがあり、一年を通して日本の四季を感じられる場所です。
横蔵寺の基本情報(拝観時間・料金・御朱印)
訪問前に知っておきたい、拝観時間や料金などの基本情報をまとめます。
拝観時間と休館日
横蔵寺の境内自体は基本的に自由に入ることができますが、即身仏のある舎利殿や仏像のある瑠璃殿には拝観時間が設けられています。通常は午前10時から午後4時頃までが入館可能時間です。ただし、季節や天候、お寺の行事によって変更になる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。
拝観料金
舎利殿と瑠璃殿の拝観には拝観料が必要です。一般的に大人500円、小中学生は数百円程度の設定となっています。この料金で、貴重なミイラ仏と多数の重要文化財を両方見学できるため、非常に価値のある体験と言えるでしょう。
御朱印の種類と授与場所
横蔵寺では、参拝の証として御朱印をいただくことができます。本尊である薬師如来の御朱印や、西美濃三十三霊場の御朱印などが用意されています。授与所は通常、本堂近くや拝観受付付近にありますので、参拝後に立ち寄ってみてください。オリジナルの御朱印帳が用意されていることもあります。
横蔵寺への行き方・アクセス方法
山間部に位置する横蔵寺へのアクセスは、事前にしっかりと計画を立てておくことが重要です。
車でのアクセスと駐車場情報
最も便利なアクセス方法は自家用車です。名神高速道路「大垣IC」や東海環状自動車道「大野神戸IC」から、国道303号を経由して揖斐川町方面へ向かいます。そこから県道などを経由して山道を進むと到着します。大垣ICからは約1時間10分、大野神戸ICからは約40分から50分程度が目安です。お寺の前には広めの無料駐車場が完備されているため、駐車の心配はそれほどありませんが、紅葉シーズンなどの混雑時には早めの到着を心がけると安心です。
公共交通機関(電車・バス)でのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、JR東海道本線「大垣駅」から養老鉄道に乗り換え、終点の「揖斐駅」で下車します。そこから揖斐川町コミュニティバスの「横蔵線」に乗り換え、終点の「横蔵」バス停で下車します。バス停からは徒歩ですぐに到着します。ただし、バスの本数は1日に数本と非常に限られているため、往復の時刻表を事前に入念に確認しておく必要があります。
横蔵寺とあわせて巡りたい周辺観光スポット
せっかく揖斐川町まで足を運ぶなら、周辺の観光スポットもあわせて巡ってみましょう。
谷汲山華厳寺
横蔵寺から車で15分ほどの場所にある「谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)」は、西国三十三所観音霊場の第三十三番札所、つまり満願のお寺として有名です。長い参道には桜並木があり、門前町では食事やお土産探しも楽しめます。横蔵寺とセットで「両界山・谷汲山」として巡礼する方も多くいます。
道の駅 夢さんさん谷汲
観光の休憩には「道の駅 夢さんさん谷汲」が便利です。地元の新鮮な野菜や特産品が販売されているほか、足湯施設も併設されています。ドライブの疲れを癒やしながら、揖斐川町の味覚を楽しむことができます。
いび川温泉 藤橋の湯
さらに奥へ進むと、「いび川温泉 藤橋の湯」があります。露天風呂や足湯が楽しめる日帰り温泉施設で、美肌効果があるといわれる泉質が人気です。横蔵寺での散策で冷えた体を温めるのに最適なスポットです。
まとめ:岐阜の秘境・横蔵寺で歴史と神秘に触れよう
岐阜県の山奥に静かに佇む横蔵寺は、「美濃の正倉院」の名にふさわしい数多くの文化財と、神秘的な即身仏に出会える特別な場所です。
四季折々の自然美、特に秋の紅葉ライトアップは訪れる人々を魅了し続けています。アクセスには少々時間がかかりますが、それ以上の感動と発見が待っているはずです。
今度の休日は、歴史と自然が調和する横蔵寺へ足を運び、心洗われるひとときを過ごしてみてはいかがけでしょうか。
案内人より一言

個人的には仏像群に目を奪われました。














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